ながされて無職

無職になった50代女性一人暮らし。ずっと働かないわけじゃない。

転職エージェントは使い方次第、私の失敗

私はこれまで転職を繰り返していますが、そのたび「転職活動」をするわけです。いろいろ落ちたり受かったり落ちたり落ちたりしました。その結果には、大いに納得・満足しています。

でもその中で、一つだけ少し「苦い記憶」として残っている転職活動があるのです。それが「転職エージェント」を使ったときのこと。なぜなら、そこで見つけた職場を、2か月で辞めたから。2か月って…。

 

本日は、反省を込めて「転職エージェントを使った私の失敗」を振り返ります。

40代後半のときです。

ある業界に特化した転職エージェントです。

転職エージェントとは

失敗その1

「転職エージェント」とは何か。どのように転職活動が進んでいくのか。

これを知らなかったことが、私の大失敗のはじまりでした。

 

1.2種類の「転職サービス」

①転職サイト …掲載された求人から自分で選び応募する。面接などの日程調整は自分で行う。自分のペースで活動。

②転職エージェント …専任のアドバイザーがサポート。求人の紹介、面接などの日程調整、書類チェック、年収交渉まで行ってくれる。非公開求人の取り扱いもある(と書いてある)。無料。

 

同じ会社が①②どちらもやっていたりします。

私は違いを知らず、気楽にサイトに入力したらサービス満点の「転職エージェント」に登録していてたまげました。

2.大手の転職サービスの例

リクルート系、マイナビ系、doda系、エン転職系、など。

3.「転職エージェント」に登録後の流れ

①サイトに登録 …氏名・住所・電話番号・簡単な職歴など

②電話がかかってくる

③アドバイザーと面談

④求人紹介

⑤書類の添削 → 応募

⑥面接対策 → 面接

⑦内定連絡(年収交渉もしてくれる)

 

想定外だったのは、これが怒涛の勢いで進んでいく(と、私が感じた)こと。

以下、私の「転職エージェント」の使い方のどこが良くなかったのかを順に振り返りながら考えます。

 

私の失敗

1.サイトに登録 …「なんとなく」登録してしまった

無職だった私は、その日もネットの求人サイトを見ていました。

「あー、条件に合うの無いなー。ここ、通うの大変そう。こっちは残業すごく多いじゃん、ブラックのにおいが、やめとこ。ああ、ここの給料の少なさよ・・・。」

そんなとき目を引いたのが、「非公開求人、豊富」の文字。

ほほう、非公開ね。最近いい求人目にしないし、もしかしたらすんごい掘り出し求人があったりして・・・。タダみたいだし、個人情報も出すのは構わない。ここはいっちょ登録してみっか。

 

はい、失敗その2

そのとき自分が登録するサイトは、単に「個人情報を入力すれば非公開求人が見られる」というものではなかったのです。

その後何が起こるか(アドバイザーによる、怒涛の就職活動の促し)という知識を、全く持っていなかったのでした。

 

2.電話がかかってくる …速攻でかかってきて、度肝を抜かれる

入力後、3分もかからずに電話が鳴ったのです。

心構えもなく知らない人と転職について話すことに、おろおろしましたよ。

 

一つめにかかってきた電話は(2つの「非公開情報サイト(笑)」に登録していました)、女性の声。

ぐいぐい職歴を、それも辞めた理由などを聞かれて、「なんで初めて話すアナタにそれを言わんといかんのダネ」という気分になった私は、「やっぱりやめますー」と言って、そこは登録削除。

 

二つめにかかってきた電話は、感じの良い男性で、あまり踏み込まないのが好印象。流れでそちらに正式登録することに。「この後、他の専任アドバイザーがご連絡いたします。なお、他社とは契約しないでね、応募が重なると企業との信頼が保てないから」とのことでした。

その後、女性の専任アドバイザーから連絡をもらいました。ネットや電話で以下のやりとりを行いました。

  • 今後の流れなどの簡単な説明
  • 細かな職歴の入力と内容の確認 …退職理由のホントのところは、何度かやりとりをした段階で電話で聞かれました。前のサイトに比べ、話すことに抵抗がなかったよ。よく考えられているなあ。
  • 求める条件の入力と確認
  • キャリアへの考え方の確認

はい、ここで失敗その3です。

結構頻繁にメールやら電話やらが来るのですよ。まあ、無職でヒマだし、職探しが目的なので当たり前なのですが。

でも、本当の心境は「ちょっと待ってー、早いよー」。

転職エージェンシーでの転職活動は、こちらのペースでなくアドバイザーのペースになりがちということを理解しておくべきでした。

ペースがお互い合致している、もしくはこちらが早いものだということを分かって利用するのなら、非常によいサービスなのでしょう。

 

3.アドバイザーと面談 …「できるだけ早めに」と、都心の巨大ビルに呼び出される

「一度、お会いして話したいです。できるだけ早めに。」とのことで、「え?わざわざ、都内在住でもないのにそこ、行くのかい?」と思わなくもなかったのですが、ええかっこしいの私は、就職意欲を見せようと(これもダメだった)面談に行くことに。

 

心の準備なくうっかり登録してから面談までは、1週間くらいでした。

都心にそそり立つ巨大ビル。その威圧感たるや、「絶対就職させてみせます!このワタクシが!」と職探しにとぼとぼ訪れるものを委縮させる凄み。キラキラ輝く内装はお金を稼ぐことを全肯定。

 

その一室で初めて専任アドバイザーと面談。

若くてかわいい感じの女性。初めて電話で話した男性もいました。

こちらは履歴書と職務経歴書を持参(面接が決まればその企業に合ったように修正する)。

面談で行われたのは以下。

  • 顔合わせ …アドバイザーの自己紹介も。若いのに大変な仕事やってる。ほんとすごいよ。
  • パンフレットをもらう …転職活動の細かな流れやアドバイスなど、書かれている
  • 希望の確認 …働くことへの思いから条件まで
  • 求人紹介
  • こちらの条件とのすり合わせ

3時間くらいかけて、じっくり話し合いました。

4.求人紹介 …非公開求人・・・私の場合はこれといってなかった

面談の時、すでに7件くらい求人の資料が準備されていました。

どれも、サイトで目にしたものばかりでした。つまり、これといった非公開求人情報は私の場合なかったのですよ。

 

しかし、良いところもあり。

会社の実際を詳しく知ることができるのです。

本当の残業、部署の構成人数や年齢層、給与の上がり方、会社の雰囲気、経営者の人柄と理念など、細かな情報もあり。

自分が予め探した求人についてや、今募集をかけていない会社の情報、最近の業界の就職の状況なども詳しく聞くことができました。

電話に初めて出た男性は営業の人で、いろいろな会社に足を運んでいるので情報がかなり具体的でした。

 

さて、あれやこれや検討するものの好ましい求人が無いなーと思ったときに、アドバイザーがこういったのですよ。

「エンドウさんの条件の記述に〇〇は除いておられますが、一度考えてみても良いのではないでしょうか。」と。「もちろんずっと働くのですから、あまり気乗りがしないところは選ばない方がよいです。ただ選択肢の一つとして、挙げてみてもよいかとも思います。」と。

 

はい、ここから重大な失敗が2つ発生!

失敗その4

アドバイザーの言葉に、思った以上に私が影響力を受け、冷静さをどんどん失っていったこと。

失敗その5

自分がどのように転職活動を進めたいのかを、認識しておらずさらに伝えることをしなかったこと。

 

失敗その4について

私はある業界で仕事をしてきたわけですが、その業界のなかでもさらにいろいろな働く場所があるわけです。その中で避けてきた場所があったのですよ。

そして今回、アドバイザーにやんわり進められたのは、その避けてきた場所への就職。

 

避けたのは自分なりの理由があったのですが、アドバイザーに言われてみると、「考えてみようかな」という気になったのですよ(凄腕だ)。確かにそれで、新しい世界が開ける人もいるのでしょう。

しかし私の場合、「引っかかるところが多々あった」にも関わらず、良い面にかなりの比重をおいて見てしまったのです(と、今ならわかる)。

「ああ、そこに勤めると新しい見方ができるようになりそうだなあ。仕事への理解が深まりそうだなあ。それに、給料はだんぜん良いのよね」と(調子に乗りやすい性格のせいでもあるよね)。

 

失敗その5について

折に触れ、ペース早いなあ、と思っていました。面接でさらに「いよいよ本腰を入れなければ。もう後には引けない」との切迫感が。面接後も次々送られてくるメールでの求人紹介に、さらに急かされるような気持に。

でもそのときは、それを意識していなかったのです。

 

<番外>これまでの私の就職活動の方法

私の働く業界では、一般に以下のように就職活動を進めます。

①求人を探す …転職サイト、ハローワーク、会社のホームページなどで

②見学の申し込みをする …電話やホームページからのメールなどで

③見学 …案内してくれるのはほぼ上司となる人

見学時、サイト情報以外のこともいろいろ質問。仕事の流れ、チーム構成、必要なスキル、会社が求めるもの、残業の実際など。給与以外なんでも。

 

そう。この見学でおおよそ見当がつくのです。自分がこの会社に必要とされている人材に当てはまるのか、また自分がこの会社でやっていけそうか、やっていきたいか。

特に、上司となる人のひととなりと、この人がどんな人材を求めているかが分かることが最大のメリット。会社は大きな仕事の内容で募集を出すのですが、上司となる人は「こういうことをやってほしい、こう働いてほしい」という現場の具体的な要望を持っているのです。

 

見学後、自分が働きたいと思い、会社も自分を必要と思ってくれそうなら、応募。そうでなければ辞退。

 

④応募 …履歴書、職務経歴書を送付もしくは持参

⑤面接 …たいてい、面接者には、先に見学の案内をしてくれた人が含まれます。他、採用担当の人など。面接者は全てこれから共に身近に働く人なのです。すでにこちらのひととなりもある程度知られていて安心。

⑥内定、就職

 

このように、全てを自分のペースで進め、自分だけが得た情報で自分が判断し決断する。そのやり方が当たり前と思っていたのでした。

5.書類の添削 → 応募

さて、また「転職エージェント」の流れに戻ります。求人紹介の次です。

その後、私は、アドバイザーに勧められた「自分がこれまで避けていた働き場所」の会社に応募することをほぼ決めてしまいました。

ただ、一つ要望があって、それは事前に「見学をさせてほしい」ということ。長く勤めるのに上司となる人とも会わず、職場の雰囲気もわからないことは、これまでの就職活動では無かったので。

しかし、その会社は見学は受け付けていないとのこと。

 

「まあ、そういうこともあるでしょう。何とかなるでしょう」

就職への歯車を既に回しまくっていた私は、そのまま応募してもらうことに決めたのでした。

6.面接対策 → 面接

面接に関して「出たとこ勝負」の私に対して、「この会社はこういう人材を求めています」「向こうからこういう質問があるでしょう」「こちらからはこういうことを聞くとよいのでは」など、アドバイザーがら丁寧なご指導あり。

40後半の私、心を入れ替えました。うなずきまくってメモしましたよ。

 

また、「面接の日は別の外せない仕事があって。一緒に行けなくてすみません」とも。ええっ?そこまでやるの?逆にこの年で面接についてきてもらうの恥ずかしいよー。

 

面接は、場所は本社ビルで本社の人が担当。無事終了。

登録から面接まで3週間。

7.内定連絡

面接から一週間くらいで返事があると言われていました。4日後に内定の連絡あり。なぜこれほど急ぐのか。

 

ここで少し想定外のことが起きました。

私が応募した会社は地域にいくつかの支社をもっていました。私は検討の段階から住まいから一番近い支社の就職を希望しました。通勤が若いころに比べ負担になってきているのを感じていたのですよ。アドバイザーから渡された資料もその支社のものでしたし。

ところが内定をもらった後、就職の条件などが書かれた用紙を見ると、あれ?離れた支店に配属されている!

アドバイザーにすぐに連絡し聞いてもらったところ、もう希望の支社は人員が配置されているため、別の支社配属になったと。

ああ、面接のときに(そして応募の時に)しっかり確認すればよかったよー。ばかばか!私のばか!

そこでもちろん断ることもできたわけですが、いずれにしろ、最近条件の合うところがなかったこと、非公開求人でもそれがないこと、さらに一から就職活動をやり直す気力もなかったことから、言われた支社へ就職することに決めたのでした。

 

こうして、サイトの登録から内定をもらうまでおよそ1か月でした。

 

なぜ私は2か月で辞めたのか

1.仕事が無かった

ずばり、「仕事が無かったから」なのです。

始めの3週間くらいは、指導担当の方に教えてもらいながらその方の担当案件をともに行っていました。しかし、仕事を覚えると本来次はひとり立ちし、担当案件を増やしていくと思っていたのに、それが無いのです。担当案件は3件きり。あれ?1週間に12時間くらいしかやらなくてよいの?

1日でなく1週間に12時間ですよ(まあ、他にも別の仕事がないこともないが)。

あえて私の案件を増やさないわけではなく、案件自体がないのですよ。指導担当の方の案件をもらってこの件数。

それで私が何をしていたかというと「運転の練習(笑)」。仕事で車を使うことがあるのですが、私が久々の都会の運転ということで。

運送業界ではないのです。メインの仕事は全く別なのだよ!それも、指導者がつくという丁寧さ。そして細かい。んっもう、ウルサイ。

あのー、私30年運転してるんですけどそれ変えるの必要でしょうか。ああ、うんざり。

(安全第一の良い会社なのだ)

 

「仕事がないのにあるふりをして座っている」というのは思った以上につらい。

当時はまだ、私が仕事に前向きな時期でもありました(信じられない)。

それまでは時間に追われて仕事をするのが当たり前だったので、「この状態はなんだ?」という思いがむくむく湧いてきたのでした。

 

それでも、せっかく就職したのだしここは様子を見よう。今後案件が増えるかもしれない。また、ちらっと上司にこれからの展開を聞いてみたのですよ。営業は今後しないといけないがこれから開拓を考えるらしい。え?これからなのかい?

なぜ仕事がないのに人を採用したのかはなんとなく想像できます。自分の仕事はまあまあ少ない資格職なので、いくつも支社をもつ会社としては、人員を確保しておきたかったのかな。いつ、人が辞めても補充できるように。

 

でも当時は、ただ座っていると、次第に希望の支社への配属にならなかった恨み(笑)も出てくる。「ぎゅうぎゅうラッシュで通勤して、これかよ」と。自分でOK出したのにね。

さらに、自分がはじめ、同じ業界内でもこの場所には就職するのを避けていた理由も、再び、どんどんクローズアップされてきたのですよ。なんと勝手な言い分よ。

 

一番つらいのは先が見えないこと。この先増えそうもない仕事を待って運転の練習したりパソコンの前にぼんやり座っているのかな(本来は現場仕事なのに)。

 

2.仕事で認められないと満足できない

そもそも、私が転職を繰り返す理由は、「余計なプライドの高さ」にあることはうすうす感づいているのですよ。それが満たされなかったり、傷つけられたりするともうだめ。敏感に反応してしまう。弱点なんだよなあ、これ。

「余計なプライドを満たすのに、仕事を使っている」ところが本当にだめ。

仕事で認められることでしか自分の値打ちが無いように思うのだ。人の評価に大いに依存しているよねえ。

仕事でプライドを満たされない、仕事で傷つけられることがあると、仕事自体を辞めたくなってしまう。

つまり、この会社では「仕事がない、プライドが満たされない(そしてちょくちょく小さく傷つく)」と感じたのでした、おそらく。

もう、ほんと、これ、どうにかしたい。こんなんじゃどこ行ってもまた辞める。

 

3.辞めるときも相談しよう

1か月半で見切りをつけ、早々に退職を申し出てしまいました。

そして、ここでもまた失敗を。

失敗その6

就職後、退職時、アドバイザーに相談しなかった。

本来は、就職した後も、そして辞めたくなったときもアドバイザーに連絡・相談すべきだったのですね。知りませんでした。

アドバイザーにその都度、率直に相談していれば展開は違ったかもしれません。会社側の事情を理解し、こちらの希望も伝わり、仕事も工夫するなどし展開は違ったのかな。

 

ここが一番後味の悪いところなのです。

辞めるにしても、私・会社・アドバイザーそれぞれが事情を知り納得する方向にもっていけばよかったのに。私一人が判断して速攻で辞めてしまった。

まあ、自分の「プライドの高さ」の相談なんてしても管轄外だよねえ。

 

転職エージェントを使うときは、ここに気を付けよう

1.展開が早いことを知っておく

…急かされたくない人、自分のペースで就職活動をしたい人にはあまり向かないでしょう。

急いで無駄なく、条件に合う職場を探したい人にはとてもよいシステムです。

2.アドバイスはあくまでも一つの案、最後は自分で判断を

…これが私には難しかったです。「そうかな」とすっかりその気に。

もちろん、人によって新たな視点が生まれ良い方向に向かうこともあるでしょう。私も、経験したからこそ分かったこともありました。

ただ、結果としてうまくいかなかったときに「引きずられた」と感じてしまうかも。最終判断は自分ということを肝に銘じて。

3.利益を得るためにやっているサービスであることを理解して使う

…転職サービスは、ボランティアではありません。求人企業に就職希望者が就職することで成功報酬を受け取るのです。早く熱心に勧めてくるのも仕事のうち。こちらも、うまくそのサービスを使う心構えが必要です。

こちらの条件を出すことにひるんではいけない。譲る必要はない。時間をあせる必要はない。

 

 

転職エージェントサービスの中には、求職者が早期に退職した場合、成功報酬を返還するところもあるとか。

申し訳なかったことに、私の使ったサービスがそうらしいのです。あのとき時間がかかっても納得できる職場を探したほうが結果として良かったかも。若い熱心だったアドバイザーさんに申し訳なく思います。

 

ほんと、ご利用は計画的にね。

みなさん、よい転職活動を。