無職、老後も悲惨 ー私の年金の話ー
昨日、定期預金を解約しました。
今より若くて今より仕事が続いたころにコツコツ貯めたもの。
あれだけ時間をかけて貯めたのに、無職になってこうしてぼんやりしていると、あっという間に無くなってしまう。
本当に一瞬で無くなるのだ。この一年でどれくらいの預金を溶かしてしまっただろう。
仕事がいやなのは私の問題
「稼ぐに追いつく貧乏なし」とはよく言ったもの。
常に精を出して働いていれば、貧乏に苦しむことはない。本当にそう。
世の中には働きたくても働けない人もいる。
私は仕事を探すことができる恵まれた状況にある。50代で職に就くには時間はかかるだろうが、仕事がないことはないと思う。
なのになぜ私は働こうとしないのだろう。
「少しでも、まずは短い時間でも働けばよいではないか。」
・・・
少しも・・・、ほんの少しも・・・働きたくない・・・。
働くことを考えるとぞっとする、そして心底げんなりする。
ああ、また、朝になると絶望し、重い体を無理に引きずって仕事に行くのかな。「いやだいやだ、もういやだ」とわめきそうになるのをこらえて仕事をするのかな。そしてあっという間に、また朝が来る。
特に直近で辞めた会社は良い会社だったのだ。上司はフラットな目を持つ人で、同僚は若い人が多くそれぞれが熱意ある真面目な人たちだった。年代を問うことなくともに話し合える集団だったと思う。
神経を使う仕事ではあったが(どの仕事もそう)、辞めるほど激務でもなかった。さらにありがたいことにその会社へは徒歩で通えたのだ。
ここまで恵まれた環境があるだろうか。それなのに辞めてしまった。
会社がいやではなかった。「働くこと」がいやだったのだ。
会社に問題はない。私に問題があるのだ。
いったいなぜこれほどまで働きたくないのだろう。今この時間も、目を逸らして過ごしている。そして、その間にも貯めたお金は溶けていっているのだ。
もらえる年金は
1.老後のお金を知っておきたい
私は先にある老後を考えている状況にはないのです。このままでは「老後」に届く前にお金は尽きてしまう。明日のために今働くべきなのです。
ただ、少しは老後のイメージも持っておきたい。年を取るにつれますます働く気持ちが無くなる可能性が高いでしょう。体の動くうちに働いて、幾分かでも備えておきたい。どれくらい備えないといけないか(備えるところまでいけるのかな)知っておきたいのでした。
2.私の「ねんきん定期便」
1)「年金が減る」要素がいっぱいの私
みなさん「ねんきん定期便」を見ていますか。
毎年誕生月に送られてくるアレ。
私は、仕事をしているときはあまり真剣に見ていませんでした。なぜならもらえる年金は自然に増えていき、さらに少ないけれど預金も増えていくものだったから。
しかし、仕事をしたくなくなったころから、ものすごく見るようになりました。
すると「年金が減る」要素が、私の場合は満載だったのですよ。
以下、「私の年金が減る要素4つ」です。
①仕事を辞めて減った
今、手元に2年分の「ねんきん定期便」があります。
直近のものは「無職になって国民年金を納めている」現在のもの。
その前の年のものは「仕事をして厚生年金を納めていた」過去のもの。
将来もらえる年金の「見込み額」は・・・。
そうです。現在の無職の「見込み額」が、仕事をしていたときのものより、ものすごく減っているのですよ。
さらに「ねんきん定期便」は、そのときの加入条件が「60歳まで継続すると仮定して」見込み額を計算しているのです。
普通の会社員は、そうそう仕事を辞めないもんね・・・。60歳まで仕事継続するよね・・・。
ああ、それにしても60歳まで泣きながら働いて、これをもらうのか(そして60歳を超えても仕事をせざるを得ないと思う)。
②免除申請すればさらに減る
現在、私は国民年金保険料を全額納付しています。しかし、もし今後も働く気が全く起きずに、「年金の免除申請」が通ったら・・・。
現在の「見込み額」より、また減ることになります。
③手元に届く前に減る
私に限らないことですが、年金は手元に届く前に天引きされるものがあるのです。
「所得税(158万を超える場合)」「住民税」「介護保険料」「国民健康保険料(75歳以上は後期高齢者医療保険料)」と4つも。
よって「見込み額」ほどは実際は手元に届かないのです。
④給付額は「年々減額されることが決まっている」から減る
世は少子高齢化。年金をもらう人は増え、納める人は減っていく。
物価が上がってももらえる年金はそこまで上げないことにしよう。マクロ経済スライドの導入(というらしい)が平成16年に決まったそうです。
2)年金で私は生活できるか
果たして私は年金で生活が成り立つのでしょうか。
はい、厳しいです。
今、引っ越しなどをし生活を小さくして試しているのですが、それでも難しいです。現在はとりあえず自分のことが自分ででき、突発的にかかるお金も少ない。しかし、老後はそれが起こりうるのです。
特に次の二つがあった場合はもう破綻。
- 病気、入院、要介護状態 …例えば入院時の自己負担金(年代によって3~1割)や食費、介護保険の1割の自己負担金などが発生すると、もうだめ。
- 住居の確保ができるか …現在賃貸住居に住んでいるのですが、築30年はゆうに超えている。今後ここにいつまで住めるのか。年取って新しいところが見つかるのだろうか。きっと家賃はもっと上がるだろうな。
年金が給付されるまでまだ長い(ものすごく長いと感じる)年月があります。
それまで働いてなんとか給付まで持ちこたえたとしても、その後も年金だけでは生活していけないことがはっきりしました。ああ、心の底からがっかり。
老後のために今すべきこと
私の場合、老後のためというより、もっと間近に迫る生活資金ゼロを回避するのが先です。
- 仕事をする、少しでも仕事をする …それがいやで一か月、二か月、三か月と先に伸ばしている。もう病気なのか。
- 生活を小さくする …うーん、自分としてはかなり小さくしてみたのですが。もっとコンパクトに生活している人もいます。見習いたい。
- とにかく、健康でいる …これ、どんな節約より重要。できればこうありたい。
さらに、「投資などで老後の備えをしておいてね」と政府が言っています。特に時間がある(年金生活までに年数がある)人は有効らしい。(2000万円問題で有名な金融審議会報告書には「資産寿命を延ばせ」みたいなことが書いてありました)。
年金のありがたさ
「ねんきん定期便」には、これまでの納付したお金の累計額が書かれているところがあります。
そして驚いたのですよ。国の老後の面倒見の良さに。
自分が納付した(一部会社も負担してくれた)金額に対して、思った以上にもらえる金額が多いことにびっくりしました。
何歳まで生きるか分からないのに、最後まで面倒を見ようとしてくれる。私が長生きすればするほど、国は大赤字ですよ。
もし、これまでの納付額がそのまま手元に残っていたとしても、私がうまく使えるとは到底思えません。そして65歳まで取っておけるはずもない。
政府はそのお金を使って長年こつこつ運用までして増やしてくれ、これからに備え、時が来たら使いすぎないように少しずつ渡してくれるのです。私が死ぬまでずっと。
本当にありがたいことです。世の中は私に本当にやさしい。
勤労の義務を果たしていなくてごめんなさい。納税で貢献できていなくてすみません。
ああ、そろそろ私も自分の問題の本質に目を向けないといけないよねえ。でもそれがつらくてたまらないのでした。(そしてまた先延ばし・・・)