ながされて無職

無職になった50代女性一人暮らし。ずっと働かないわけじゃない。

さようなら、私の親知らず… 歯医者さんとサービス業

無職の私、ゆっくり歯医者さんに通っています。

 

あっさりと抜歯できました。

本日は親知らずを抜いた話です。

(あくまでも「私の場合はこうでしたよ」という一つの体験談です。ご自身の場合は、歯医者さんによーくお話を伺って相談してくださいね。)

 

親知らずの抜歯

1.行った歯医者さんは

親知らずを抜く歯医者さんは、無職になり2件目に訪れたところ。

そのてきぱきぶりで私を魅了し、私はすっかりその気に(親知らずを抜く気に)なりました。

 

磨きにくかった親知らず。疲れた時などに周囲が腫れた親知らず。口のうんと奥にあり、詰め物が取れた時も顔の肉を思いっきりひっぱってもよく見えなかった親知らず。そんなあなたとも今日でお別れ。

 

私は歯医者さんは結構好きなのですが、さすがに抜歯ともなればちょっと気が重い。ネットではなにやらただ事ではない体験談も。コワイヨー。

2.体調を聞かれる

当日、予約した朝一番の時間に(無職でヒマだからいつでもOK)到着。すぐに診察室に行く。緊張。

「体調は大丈夫ですか?」と歯科衛生士さんに聞かれ「万全ですっ!」と答える。

が、「体調を聞かれるほどおおごとなのかしら」とまた不安に。

歯医者さん登場。

「では、麻酔しまーす」とのんびり口調だが、前置きなしで取り掛かるてきぱきぶり。

3.痛くない麻酔注射

まず、そこで驚きましたよ。びっくり仰天でしたよ。

何がって、アナタ、麻酔の注射が痛くないのですよ。

ほんのすこーし「チクッ」とはするのだけれど、いやいや「チク」くらいかしら。それが痛くないのです。

 

50代くらいのみなさん、子どもの頃の歯医者の治療って、もんのすごーく痛くなかったですか?よくある「痛かったら手を挙げてください」レベルでなく、椅子の上で身をよじるほど痛かった記憶が私にはあるのです。削っても痛い、注射しても痛い、抜いても痛い。

歯医者さんの待合室で、診察室から漏れ聞こえる自分より小さい子どもの「ギャーーーー」という叫び。恐れおののき手を握りしめ、震えて待つあの時間。恐怖。

 

大人になって歯医者さんが好きになったのは、大人になっただけでなく「最近の治療ってあんまり痛くなくなってきたよねー」と分かったからなのです。

それでもまだ、「麻酔注射の、刺すときのチクっとするあの痛み、液を入れるときのじわーっと圧迫するようなあの痛み」を十分覚悟していました。

ところがですね、アナタ、「チクっと、が、痛くないチクへ」「じわーっと、が消滅へ」と、麻酔注射はいつの間にか変貌を遂げていたのです。

4.抜歯、いつ抜いたかわからず

麻酔注射のあと、しばらく私は放っておかれて(言い方!麻酔が効くまで時間をおいた)、再度、先生登場。

まず、「歯茎を押しますよ」と。何のことやら。

次に、「歯が押されてる感じがしますよ」と。ぐり、ぐり、ぐりと3回くらい確かに歯が押されている感じ。痛みなし。

その後、なにやら少しやって、あの吸い取るヤツでじゅっと吸い取って、ちょっとなにかやって(見えず感じず何やっているかわからないのだ)、「ガーゼ噛んでください」。

 

あれ?これ、終わったのか?抜いたのいつだ?

5.レントゲンで終了

その後、レントゲンを撮り、ガーゼを噛んだまま歯科衛生士さんから生活の説明を聞く。「今日は風呂や運動のような血行の良くなることはだめよ、お酒もなしよ。強くうがいはしないでね」など。

そして、再び放っておかれる(止血待ち)。

 

歯医者さん、再々登場。

「出血は止まっていますね。はい、これが抜歯した歯です。」

銀のトレイの上には、今外したガーゼのとなりに、白い歯が。

それは絵でよく見るような根っこのついた「ザ・奥歯」という形をしており、結構大きく、堂々とした存在感を放っていた。長い間、お疲れ。

歯医者さんから、再出血した時のための「もしものガーゼ(噛んでると血止まる)」をもらい、薬の説明などを聞いて終了。

 

いやー、先生、驚きましたですよ、まったく。

全っ然痛くなくてホントたまげましたよ。覚悟して来たんですがね、こんなにあっさり終わるなんて、あたしゃ拍子抜けしちまうよ。

先生腕が立つねえ、超一流だねえ。先生にやってもらえるったあ運がいいよ。これからますます楽しみになってきましたですよ。一生ついていきますよ、あたしゃ。

ありがと、ありがと。ホントにありがと。ありがとねえー。

 

先生の両手をとって上下に激しく振り、感謝の意を熱烈に伝えたかったのですが、「ありがとうございました。痛くなくて驚きました。へへ。」くらいにとどめ、つつましく診察室を後にしたのでした。

 

本日の治療費(3割負担)

  • 歯科 1330円
  • 薬局   710円(抗菌薬など3日分)

 

抜歯の後は

丸一日くらいは、口の中に薄ーく血の味がしたような気がします。薬のおかげもあり痛みはなし。出血なし。腫れもなし。

次の日に、診察と消毒あり(2分で終了)。「この調子で治っていくのを待ちましょう」とのこと。診察代160円也。

なんとなくの違和感は3日で消失。

食事は、歯医者では何も言われなかったけれど、一日めのみやわらかいものにしました。もともと親知らずのあった方で噛んでいたので、そちらに食べ物が行きそうになるのをこらえて食べています。歯ブラシが当たらないように気を付けています(寝ぼけてうっかり当てる)。

 

技術の進歩とサービス業

麻酔が痛くなくなったのもそうなのですが、私が子どものころは歯を抜くのももっと大仕事だったような気がします。ごりごりごりとものすごく時間をかけて激しい痛みもありました。

もちろん、親知らずも生え方や根っこの形によって抜きづらいものもあるらしいので、私はすんなり抜けたほうだと思います。

しかし、そうだとしても、やはり痛みの無さは大きく進歩したと思うのです。

 

今回無職でありながら、私も、ありがたくもこのサービスの恩恵にあずかることができました(無職であることのこの卑屈さと罪悪感のようなものは何なのだ)。

そしてそのサービスを直接提供してくれる歯医者さんや歯科衛生士さんにも、ものすごく感謝しているのです。先生の治療技術と的確に伝える話術(コミュニケーションは大切だ)があればこそ、医療技術の進歩も生きるというもの。

 

そうなんだよねえ。

私がサービス業の仕事をしていたのも「人によいことを直接提供する」ことを求め、喜びとしていたのではなかったのか(もちろんお医者さんとはレベルが違うけれど)。

それなのになぜ、仕事を続けることができないのか。なぜ、仕事の場で自分を「奴隷」のように感じてしまったのか。なぜ、いやでいやでたまらないのか。サービス業以外の仕事が私にできるかしら。

 

もうしばらく歯医者通いは続きます(虫歯治療もある)。

治療の終わるころに、何か答えは出ているでしょうか。