ながされて無職

無職になった50代女性一人暮らし。ずっと働かないわけじゃない。

無職の美容院代の節約(できる範囲)

本日は「無職の美容院代」について考えます。

 

「そんなの3か月に1回くらい千円カットでいいじゃん?何ならアナタ女性だし伸びた髪結んでおけば、1年にカット1回でいいよね。そもそも完全無職で家にいるなら人にもほとんど会わないし、そこ、気にするう?」とご指摘のみなさま。

おっしゃるとおりです!そのとおりです!私はそうすればよいのです!

しかし、なんでそれできないのカナ、しないのカナ・・・。

 

こころの遠くをのぞくとそこには暗闇があり、なにやら黒々としたものがある。それは小さくふつふつと沸いている。

そう。私を美容院へと向かわせているその正体は、沸き立つ「黒いもの」だったのだ。

 

「黒いもの」との戦い

1.若いころの苦しさ

50代無職にも若いころはあった。若いころは苦しかった。

なぜなら黒いものが今よりもずっと激しく沸き上がり時にしぶきを上げるほど沸騰し、手に負えないように思うこともしばしばあったからだ。

幼少より自分の外見が芳しくないことを感じていた。そのころから、すでに黒いものは存在した。

「人に好ましく見られたい。そして快く自分を扱って欲しい」

その思いとは、人の目から隠したい、激しくおどろおどろしい、そして自覚する前から内に存在する「欲望」なのだ。

 

経験したことはないだろうか。外見によって自分への扱いが異なることを。そんな自分への扱いに腹を立てたことはないか。そして自分は他者に対してそうしていないといえるだろうか。

私は若いころ、髪の長さが異なるだけで周囲の扱いが違うことに驚いたことがあった。長い髪を持つだけで、周囲の人は自分を弱いもののように大切に丁寧に扱ったのだ。私は何も変わっていないのに。

 

「他者にこう見られたい」という欲望は、すぐに「自分が自分をこう見たい」という欲望に変換され重なった。「これは私じゃない、私はもっと魅力的な姿であるべきだ。もっと、もっと。」

人はそれほど他の人を見てはいない。関心もない。

しかし、もうすでに「自分自身が自分の容姿を、非常に大きな関心をもって見ている」状態が出来上がってしまっていたのだった。

2.年を重ねて 

年をとることは救いだ。

その黒いものは急におとなしくなっていったのだ。

同時に扱いにも少し慣れた。

外見と自分を切り離してみることが少しできるようになってきたのだ。

 

服を着たり化粧をしたりすることは自分にとって「女装」となった。本来の自分は別のところにある。服を選んで着ることを「装う」というが、別の意味に「外見を他のものに見せかける」というものがある。そう、「見せかけ」でよいのである。

「見せかける」ことで周囲の扱いが違うことにもすでに慣れている。よって「装う」ことを目的の手段として用いるだけなのだ。本来の自分は少し別のところにおいておく。

また、「自分が自分をそうであると思いこむ」ことも少し楽しい。「今日、ちょっとカネモチ風な格好をしている(唯一持っているデカい指輪をする)。ふふん、無職なのにね。よし、今日一日私はカネモチの人!」

 

ただ、自分の望む姿と実際の姿が異なることへのがっかりした思いは、まだ残っている。「ああ、自分が思う以上に実際は年をとっているな」と。

だれも、自分のことを関心をもって見ることは無い。しかし、「自分自身が自分の容姿を、非常に大きな関心をもって見る」習慣はそう簡単には変えられない。

 

今思えば、黒いものは熱い生命のエネルギーでもあったのだ。それは目に見えて小さく弱くなっている。しかし、小さくなったとはいえまだそれは湧いているのだ。消え去る前に慈しもうではないか。

 

美容院へ行く理由

現在、私が美容院へ行く理由は、以下の3つです。

1.「こざっぱりした高齢女性」に見られたい(だれも見ていなくてもね!)

ちりちりした髪質、うねるくせ毛、増える白髪。そのままだとむさくるしくなるのだ。手を入れることで少し整う感じがするのです。

2.自分でも自分のことを「こざっぱりした高齢女性」と思いたい(これ重要!)

3.就職するかもしれない(「かもしれない」とか言っていないで早くしろ)ので「いきいき現役感」を保っておきたい

美容院代の節約

現在、以下のやり方で落ち着いています。

1.カットは美容院、3か月に1回

2.前髪は伸びてきたら自分で切る

3.白髪は(できるだけ)自宅で染める 

1.カットは美容院、3か月に1回

これ、本当は2か月に1回くらいがよいそうです。

ところがですね、上手な美容師さんだと思いっきり長く持つのです。

今の担当美容師さんは、久々にハサミとともに天から降ってきた「ああ、プロだねえ」という美容師さん。

上手な美容師さんにカットしてもらうと次のようにないいことがありました。

  • 長持ちする …伸びてもおさまりがよい。「美容院へ行くか」と決心して鏡を見ると「いやもうちょっともつかも」となる。美容院へ行く日をこれでもかと引き延ばすのだ。スゴイ。
  • 家での扱いが楽 …「美容院と同じにならない問題」が起こらない(あまり)。スバラシイ。

2.前髪は伸びてきたら自分で切る

最近はYouTubeで、カットのやり方を教えてくれていたりするので、勇気のある人は自己責任のもと挑戦だ!

3.白髪は(できるだけ)自宅で染める

2週間に1回、根元を染めています。

おすすめはシ〇〇のクリーム(赤い箱)。他社のものより付属の櫛が丈夫な作りで(へんにしならない)染めやすいのだ。混ぜなくてよいのも楽。必要なだけ使って残しておけるのも節約になる。

 

さらに3か月に1回、全体を染めています(ミエはって美容院に行く前に)。

おすすめはシ〇〇のミルキー(オレンジの箱)。ひと箱全部使ってがっちり染める。櫛がついていて後ろが染めやすいのが良い。

「全ておまかせ」の誘惑 

1.気持ちの良い「全ておまかせ」

たまーに、「全てをおまかせ」にしたくなるよ(そして、してしまう)。 

昨年、コロナで緊急事態宣言が出、美容院もお休みで行けない時期がありました。そのうち夏になり、伸びた髪を結ぶと首元が涼しくてそのまま伸ばしていました。

しかし、髪が長くなるにつれ自分での白髪染めがどんどん難しくなってくる。見ためも禍々しく、特に風呂上がりの乾かしただけのザンバラ髪姿はコワイヨー。

ついに8か月ぶりに美容院へ。今日は全ておまかせ、白髪染めもやってもらっちゃおう。

はー、人に手をかけてもらうっていいもんだねえ。じょきじょき切ってもらう髪の感触が最高に気持ち良いのだ。その日は白髪染め・トリートメントまでしっかりしてもらい、ご機嫌で帰りました。髪に風が入るのって久しぶりだなあ。

今も、よく「全ておまかせ」の誘惑に負けそうになるよ。白髪染め、正直メンドクサイ。

2.金額の違い

  • シャンプー・カット・カラー  : 14000円くらい
  • カット・カラー        :  7000円くらい

あ、これ、指名料と技術料が入っています。

美容師さんにグレードがあるのヨ。私は一番上のヒトにやってもらっています。節約意識が低くてスミマセン。ヤメラレナイ。

せめて白髪染めは自分でやるようにします。14000円が7000円になると肝に銘じて。

 

千円カットの勇気がない無職

そうなのです。安いに越したことはないのです。

しかし、しかしですよ。

「美容師さんの当たり外れが大きい」とか「石田ゆり子ボブのはずがワカメちゃんボブに」とかいううわさがあるじゃないですか(一部ネットで)。年取ったワカメちゃんって・・・。さすがに、それは・・・。

がっかりカットはその後の3か月を、毎日がっかりにし続ける恐ろしきパワーがあるのですよ(誰も見ちゃいないこともわかっていて、なおひるませるそのパワー)。

今はまだ、達観しきれていない未熟な無職。

もう少しだけ美容院へ行かせて…。

 

ということで、春が待たれる今日このごろ。

見ためもさわやかに過ごしたいものです。