ながされて無職

無職になった50代女性一人暮らし。ずっと働かないわけじゃない。

困った時の礼服レンタル

本日も16平米の宮殿からお伝えしております。

無職になる直前に引っ越したのが、この宮殿(家賃39000円)だよ!

「女王様、このドレスは宮殿に持っていかれますか?」「捨てておくれ」

「このローブはいかがいたしましょう?」「それもいらぬ」

「乗馬用の服は?」「新しい宮殿には馬はつれていかぬ。ゆえに服もいらぬのだ。」

「この夜会服・・・」「いらぬいらぬ!いらぬのだああああ(涙)」

メイドや馬、そして数多の服に別れを告げ、女王は16平米にお引越しなされたよ。

 

そう、服は厳選して持ち込まなければならなかったわけです。

でもね、なんとこのワンルームの部屋にはクローゼットがあるのですヨ。ほんと、助かりました。どうしてもハンガーに掛けたいものがあるよねー。

ただし、その幅40㎝、ハンガー8本分くらい。そこに掛かる権利を手にする服とは、審査に審査を重ねられ勝ち進んだ、選ばれし服なのであった。

 

礼服は特殊

1.礼服の特徴

礼服。これかなり特殊ですよね。特徴は以下5つ。

  ①着る機会が極端に限られている …私などはもう冠婚葬祭の「葬」のみだな。おまけに仕事を辞めて会社関係の付き合いも無くなったよ。

  ②急に必要になる …「明日の夜、通夜です」とか。

  ③一応年齢にあったものが必要らしい …今回初めて知りました。女性の場合デザインもさることながら、スカートの丈。50代以降はちょっと長めがよいとか。へー、一生一着でよいと思っていたよ。

  ④「服」以外に必要なものもいっぱい …シンプルなパンプス(ダサいくらいがよい。でもそんなの持ちたくない)、鞄、バッグ、手提げ、数珠、袱紗・・・。

  ⑤季節によっては④以外のものも必要 …冬のブラックコート。普段使えるしゃれたヤツはさすがにダメか。夏もホントは暑いのよ。

 

すなわち礼服(喪服)とは、「いつ着るか分からない、でも着る機会は必ずありそれが急にやってきて、買い替えも必要、あれこれ一式そろえないといけない」という、とんでもなくプレッシャーを掛けてくるものなのだ。そして場所をとる。

そう、40㎝クローゼットの審査に選ばれることのないものだったのだ。

 

また、金銭的にもタイヘンだ。無職が一からそろえるとなるとどれほどの金額がかかるであろうか。大型スーパーの2階などで販売している(百貨店でないのでお値打ち価格)ものをチェックしてみた。

「靴・鞄・パール(もちろん本物でない)なんか合わせると…ん?5万くらい?えっと袱紗と数珠どこで買うんだ?それ、おいくら万円?」

厳しい。無職のワタシには非常に厳しい。

 

こうして、着る機会の到来におびえながらも、持たずしてやり過ごしてきたわけです。

 

2.礼服(喪服)を着る機会、都会と田舎の違い

私も礼服一式をそろえてていたことがあります。それは田舎に住んでいた若きころ。職にも就いていて買えたのだ(収納もできたよ)。

 

葬儀に出ることが多かった。職場の人や友人・知人のご家族の葬儀、村の葬儀。

「村の葬儀とは何ぞや」と首をかしげている都会の皆さん。そうです。田舎ではそのようなしきたりが存在するのです。私が住んでいた村の場合、50件くらいがひとかたまりの村と決まっていて、その家の葬儀には参列するというオキテがあるのですよ。若者もできるだけ参列するのです(にぎやかしみたいなものか。香典は一家にひとり分でよい)。そして世は類まれなる高齢化社会、自然と葬儀も多くなり。礼服大活躍。

 

今、住んでいるのは都会です。もちろん村の葬儀はない。会社などでも葬儀に出る人の範囲は狭くなったと感じます(田舎では会社でも「ちょっと顔知ってる」くらいの人の家の葬儀にも参列していました)。

 

礼服(喪服)をレンタルしました

そんな私にも着る機会がとうとう来てしまいました。

頼る方法は一つ。「礼服レンタル」。

いやー、いい時代になりました。ありがたいサービスだなーと改めて感じましたよ。

以下、レンタルの実際を書きます。

1.レンタルできるもの

1)一式が全てそろう

礼服(喪服)のみでも借りられます。

便利なのは「フルセットの礼服レンタル」。

  • 礼服(サイズ選択)
  • 靴(サイズ選択)
  • 礼装バッグ・手提げバッグ(必要なら選択)
  • ネックレス・イヤリング(シロ・クロ、長さも選択)
  • ストッキング(返却不要、サイズ選択)
  • 数珠・袱紗セット(必要なら選択)

見事にそろってる。自分で準備するのは香典袋だけ!

2)季節にも対応
  • フォーマルコート …礼服の上にはおるコート。私は寒い季節、これも頼みました。
  • サマーフォーマル 
3)特別な状況にも
  • マタニティフォーマル

男性の礼服もデザイン豊富。ことにサイズの選択は女性以上に細かくできて、その表は圧巻。

2.レンタル派は選んでおくべし

レンタル派のみなさんに強く訴えたいのはここ!

「レンタルをシミュレーションしておこう!ブックマークまでしておこう!」

特に通夜のお知らせは急にやってきます。

(礼服一式を手元に置いておきたい派の理由はここか。有事への備え万全の安心感。)

礼服を持たない我々にとっては、行動の計画を練りシミュレーションしておくことこそが有事への備えなのであります。

通夜の連絡があってから、「えーっと、どんなお店があるかしら?このデザインかわいいな。ちょっと若作りかしら。こっちもいいなー、細く見えそう」なんてやっている場合ではないのであります。

1)必要な時間に届く業者を選んでおく

私がお世話になった業者さんの場合、私の届け先には、最短で

   当日16時までに注文 → 「翌日午前」の受け取り

が可能でした。早い!通夜は翌日午後で間に合った!

ただし、距離が離れた道県は「翌日2時以降」「翌日18時以降」「翌々日」のところもありました。注意。

自分の住所に確実に届く業者を選んでおこう(「〇〇県、喪服レンタル、当日発送」等で検索を)。

もちろん法要など予定がはっきりしている場合、「〇日の前日」など指定することが可能です。

2)どのようなタイムスケジュールで動くか考える

私の場合、近々通夜・葬儀に参列するであろうことがわかっていたので、事前の準備がしやすい状況にありました。

そうでない人も、一度業者と礼服を探してタイムスケジュールを立てておくと安心です。

<私の実際の動き>

昼12時連絡あり → 会社の昼休み(まだ無職じゃなかった)スマホでレンタル注文 → 一旦帰宅、のち新幹線移動(通夜の場所が他県。夜はホテル宿泊) → 翌日午前ホテルで受け取り → 通夜、次の日葬儀 → ホテル近くのコンビニで返送手続き → 新幹線で帰ってくる

でした。

3)デザインも何種類が選んでおくと安心

1種類だとまれに他の人がレンタル中ということも。2~3種類選んでブックマークしておくとすぐに注文できる。

3.受け取り、返却も便利

1)受け取りは希望の場所で、ホテルで受け取れた

自宅以外の受け取りも可。私は今回、通夜・葬儀の場所が他県でしたので送付先をそちらに。ホテルでの受け取りができて助かりました。一般の住所、ホテルのほか、式場への配送もできるとのこと。

2)返却が楽、コンビニから

クリーニングいらず。箱に入って送られてきたものを、同じ箱に入れてコンビニから送り返すだけ。送付書あり。

私は移動先での受け取り・返送だったので、移動時(新幹線やら在来線やらバスやら)の荷物(礼服一式)が無くて、それも大変助かりました。

 

利用してどうだったか

次に必要なときもこの方法にしよう!と思える便利さでした。

1.料金に満足

これまで同じ業者さんで2回利用しました。

  • 1回め:礼服フルセット 8600円
  • 2回め:礼服フルセット、フォーマルコート 12600円

送料込みでこれ。

どう?どう?私にとってはたいへんありがたい値段。

2.サイズや品質、優良

礼服はサイズが細かく選べて、実際ぴったりでした。質もとても良さそう。自分が買うとなると「高そうだなー」と買い控えるかもしれない品でした。もちろん清潔。そういえばおブランドのものも選べましたヨ。

他の小物なども上品で満足。

靴は1回めはサイズがやや大きく、2回めでワンサイズ小さくしてぴったりでした(こちらのモンダイだね!)。

3.細かく配慮されている

基本3泊4日ですが、返却が難しい場合は1000円で1日延滞が可能。

Q&Aの「注文が16時をすぎたけどまだ間にあう?」という質問には「時間によっては発送に間に合う場合も。フリーダイヤルに電話を」とのことで、こちらの「困った」にできる範囲で対応してくれそうな感じでした。

 

 

50代のマダームともなれば、質の良い礼服の一そろいをクローゼットに待機させているイメージ。実際そうしているご婦人も多かろう。

しかし、中には40㎝クローゼットの前で立ちすくむ(そこに礼服の姿はない)50代もいるのだ。そして世は優しい。たたずむ50代にクローゼットに入らなかった服を貸し与えてくれるのである。感謝と品の良い礼服を身にまとい、50代はいつもよりちょっとしおらしく葬儀の列に並んだのでありました。