ながされて無職

無職になった50代女性一人暮らし。ずっと働かないわけじゃない。

無職初年の確定申告

今年ももう一か月が過ぎようとしています。

無職のひと月は早い。社会生活から切り離された日々。世に貢献することもなし。そして日に日に減りゆく預金残高。

 

いやいや、無職とはいえアナタも社会を構成するひとり。この国を支えるためにすることがある。社会の維持・発展の根幹である、そう!納税だ!

あなたに課されたその義務を(無職なりに)誇り高く果たそうではないか!

 

ということで、もうすぐ2月。確定申告が始まりますヨ。

本日は、仕事を辞めて自分で確定申告をすることになり、青ざめている(かもしれない)無職のみなさんに向けて(一年前のワタシだね!)、昨年を振り返りつつ確定申告についてまとめたいと思います。

 

なぜ無職が確定申告するのか

その年の納税額を正しく計算し、確定するためです。公平に払ってもらうためにね。

税務署は、アナタが仕事を辞めたことも知らず、都心のマンションの家賃収入を得ていることも知らず(だったらイイナ)、株で儲けまくったことも知らない(イイナ)わけです。そんなこんなを正しく計算し、公平に税を納めてもらうよう、テマヒマかけてやってくれとるんだね。

<無職になって確定申告をするメリット>

  • 多めに支払った税金が戻ってくる可能性がある …給与所得は多めに見積もられているので。税金が控除されるものもあるよね(保険関連とか)。
  • 次の住民税や国民健康保険料が安くなる可能性がある

 

確定申告の必要な人(無職になった)

それは、

「退職してその年の年末調整を受けておらず、かつ給与が48万円(給与以外の所得は20万円)を超える人」

です。

 

ポイントは以下2点

1.その年の年末調整を済ませたか

会社員のときの12月の年末調整、あれ自分がやるはずの確定申告を会社の事務職員さんがやってくれていたんだねえ。紙2枚ぴらーっと渡して満足していたよ。

そんな事務職員さんがいなくなった今、アナタ(無職)は2月に自分でしてね、と言われているのです。

 

以下、見事再就職を果たした方も含めて、必要か必要でないかのパターンを書きます。

1)確定申告が必要な人   
  • 年の途中で退職 → 年末(12月31日)無職のまま  …昨年の私はコレ
  • 年の途中で退職 → 再就職し年末 →再就職した会社で年末調整できず(前の会社の源泉徴収票がない、など)
  • 年の途中で退職 → 年末無職のまま →翌年再就職 →自分で退職した年のものを確定申告(再就職した会社の年末調整に間に合っていないから)

3つめのパターンを経験したよ。ある年末に無職で翌年1月に再就職しました。再就職した会社で年末調整はやってくれず(イジワルではない)、2月に自分で前年分の確定申告をしました。

2)確定申告が必要でない人
  • 年の途中で退職 → 再就職し年末 →再就職した会社で年末調整をしてもらった(前の会社の源泉徴収票が必要だよ) 

このように再就職先の会社は、年内のことであれば、親切にもこちらの辞めたりまた勤めたりの勝手な行動の帳尻合わせをやってくれていたわけです。知らなかったよ。

 

無職のわれわれは会社に縛られない自由を手に入れた代わりに、自らの足で立つ(税務署前に)ことを求められているのだよ!(ココロボソイナー)

 

2.収入に注目

給与は48万円。給与以外は20万。それを超えたら(1円でも)確定申告。

源泉徴収票はしっかり手に入れ失くすな!>

 給与所得を証明する源泉徴収票。ひと月以内に届くことが決まっています。

私はそれが届かず、ちょっと気まずいなーと思いつつ元の会社に電話しました。手違いですぐに送ってくれることに。

「新しいところでも頑張ってね」と顔見知りの事務のお兄さんに言われました。新しいところ・・・ナイ・・・。いい会社だったのヨ。頑張っていなくてごめん。

 

確定申告の期間

毎年2月16日から3月15日に申告。※今年も4月15日まで延長されましたね。

申告開始日や終了日が土日に重なると日がずれるので要確認。

前年の1月1日~12月31日の所得について申告します(年度じゃないよ)。

 

確定申告の方法

大きくいって、「家からネット」「税務署で対面」の2種類あります。(郵送もあるけれど元会社員はそれほど使わないかも、専用ソフトを使う自営業の人が多い印象)

1.家からする方法はさらに2種類

e-Tax国税電子申告・納税システム)」という国税庁のネットシステムを使います。

 1)マイナンバーカード方式

   必要なものは以下2つ。

   ①マイナンバーカード

   ②パソコン+ICカードリーダライタ(マイナンバーカードをを読み取る機械)

     もしくは

    スマホマイナンバーカード読み取りに対応したもの

 2)IDパスワード方式

   ①ID(利用者識別番号)

   ②パスワード(暗証番号、自分で決めて申請したもの)

   ③マイナンバー(入力するよ)

①②は税務署へ行くとすぐ発行してくれるとのこと(本人確認用の免許証など必要)。

私は数年前に税務署で確定申告をしたとき(何回無職なんだよ)、IDとパスワードが書かれた用紙をもらいました。

 

2.税務署の「申告書作成会場」へ行く

確定申告が正しくできるか不安な人、上のようなIT機器やネットに抵抗のある人は、これをお勧めします。

税務署が広い会場(税務署内でなくさらに広い会場のところも)を設けて、パソコンを多数設置。職員さんが手取り足取り教えてくれます。全くパソコンが使えなくてもできます。安心。

 <探し方>

どこにその会場があるのか。

ネットで、自分の住んでいる自治体名「〇〇市(区)」「確定申告」と検索。

さらに「〇〇税務署|国税庁」を選んでページに入ると、確定申告の説明と「相談・受付(申告書作成会場)」という項目があり、そこに会場・期間・時間等の説明があります。

違う管轄税務署の作成会場には行かないでね。自分の住んでいるところの管轄税務署デスヨ。

※入場整理券が必要。今年は当日の会場での配布だけでなく、LINEアプリで事前に入手できるとのこと。

 

昨年、私が選んだ方法はこの「税務署の申告書作成会場へ行く」でした。

マイナンバー方式は、ICカードリーダライタをもっていない(買いたくない)、スマホが対応していない(格安スマホだもの)。

ID・パスワード方式を使いたかったけれど、なんか不安。数年前のID、まだ使える?引っ越して税務署変わってるし(後で税務署で聞くと使えたらしい)。いろいろやって結局作成会場へ行くなら初めから行っちゃえ!

と、一日で確実に終わらせるために、申告書作成会場へ行きました。

 

どこの税務署に提出するのか

1.確定申告するときの住所の税務署へ(申告書作成会場も住所の管轄税務署へ)

私は引っ越しとともに管轄税務署が変わりました。引っ越し「後」の住所の管轄税務署で確定申告を行いました。

会社の所在地とも関係はありません。あくまでも提出するときに自分の住民票のあるところの税務署へ。

 

申告書作成会場へ行く人も、どこの会場でもよいわけではありません。作成しその場で提出するので、自分の住所の管轄税務署が設けている申告書作成会場へ行きます。

これ昨年私間違えるところだった。引っ越し前のところへ行こうとしていました(割と近かったの)。

 

2.引っ越しのときはホントは「納税地移動の届け出」が必要だった

以下、頭の片すみにどうぞ(該当する人は少ないかも)。

 

正式名称「所得税・消費税の納税地の移動に関する届出」。

これ、知っていました?知られていないよね(特に給与のみの人)。申告書作成会場にいた税務署職員さんがさらーっと言っていて驚いたヨ。

 

引っ越し「前」の管轄税務署へ行き(引っ越し前にやっておく)、署長あてに届出を提出(郵送)すべしとのこと。

 

税務署職員さんによれば、「実際は知っている人は少なくて、確定申告をそのまま受けて処理することになります」とのこと。私も確定申告の場でその届出を書くことはなかった。パソコンに引っ越し後の住所を入力しただけで済みました。あれ?いらないの?

 

届出をしないと不都合があるのは、「振替納税」をしている場合とのこと。

なぜなら振替納税の依頼書は「税務署長あて」に書いているから。税務署替われば署長も変わる。変更しないと引き落とされないから督促が来たり延滞税がついたりするらしい。コワイヨー。ムズカシイヨー。

 

3.必要な物(申告書作成会場へ行く人は「持ち物」)

人によって異なるので、詳しくは国税庁のホームページおよび管轄税務署のページでご確認を!

1)共通

 (1)「ID・パスワード」「マイナンバーカードなど」

  • ID(利用者識別番号)とパスワード(暗証番号):ある人は持っていけば早い。なくてもよい。
  • マイナンバーカード。ない人はマイナンバーが分かる書類(通知カード・マイナンバー記載のある住民票など)と身元確認書類(免許証など)

 (2)預金通帳口座番号がわかるもの

   還付金を振り込んでほしい口座のもの。

 (3)印鑑

2)収入関係
  • 給与関連は「源泉徴収票
  • 給与以外の収入は「収入金額・必要経費が分かる書類」
3)所得控除関係

私は上の3つだけ。他にもいろいろある。

4)税額控除関係 
  • 住宅ローン控除関連など

3)と4)は会社員だった人は年末調整で慣れてるね。

 

税務署の「申告書作成会場」の実際

さてここからは、昨年私が行った申告書作成会場がどんな感じだったかをQ&Aでお伝えします。

Q.時間はかかりますか?

A.はい。昨年はかかりました。

入場整理券をもらって終了まで5時間半(10時到着、3時半終了)。ただし、大半が待ち時間でした。(近くのショッピングセンターで寿司食べたりしてた)

今年は、入場整理券配布を会場だけでなくLINEアプリで事前に配布する方法もとるとのことで、混雑の解消が期待されます。

中はとにかく、人でいっぱい。

必要書類を確認してもらいパソコンに入力し控えをもらうという作業自体は30分くらいで終わりました。

場所や日によってやり方や待ち時間に違いはありますが、時間には余裕を持って臨んだ方がよいでしょう。

Q.申告書作成会場では何をやるのですか。

A.①仕分けされて列に並ぶ(自営の人/給与の人/雑所得の人、パソコンのできる人/全てお手伝いの人、など)

  ②持ってきた必要書類を確認してもらう(職員さんに)

  ③パソコンに入力する(職員さんに「ここにこうして」と細かく教えてもらい)

  ④申告した書類の控えや重要書類(ID・パスワードが書かれている)などをもらう

この4つです。簡単でしたよ。

Q.最後に伝えたいことはありますか。

A.税務署職員さんの優秀さを伝えたいです。

会場にあふれかえる迷える子羊(文字通り迷ってうろうろ)を、あちらに振り分けこちらに誘導し、その間もどんな質問にも答え続ける。パソコンの前では一人の職員さんが4人くらいを把握し、ある程度ほったらかす人・手取り足取りの人などを瞬時に見分け対応する。パソコンが空くとパッと手を挙げる、その凛々しさよ。

ああ、この国を支える人よ。国民と社会の幸せの舞台を作るその尊き姿よ。人の目を引くこともなく讃えられることもない日々の務め、それがこうしてあなた方の力で果たされてこそ、この国は未来に向け歩を進められるのだ。

 

無職のワタシはなんだかあたたかな心もちになり、税務署を後にしました。

その後、無事数万円が口座に振り込まれていました。食費となって私の命をつないだよ。ありがとう。(2月17日申告、3月10日還付でした)

 

と、いうことで今年も2月がやってくる。

レッツ確定申告!(今年こそ、e-Tax使いたいんだけどなー)